『そこのみて光輝く』
近場の旧炭鉱の町を歩くのが好きだ。
その昔は繁栄していたが今はすっかりさびれている。なので大きな屋敷の廃屋や廃墟もあちこちで見かける。市営住宅の路地を歩けば、子供のサンダル、散らかったおもちゃ、手入れされてない植木鉢、洗濯物。むき出しの生活感が濃密に漂う・・。
正月休みに観た「そこのみて光輝く」のサウンドトラックをipodで聴きながら、冬枯れた夕暮れに古くて貧しい町を歩くと一層、寂寥感とともにどこかしらなつかしさもこみあげてくる。
この映画は重い十字架を背負った若者たちの純愛ドラマ。光と影がうつくしい。音楽が素晴らしい。演者の錆びれた感じのリアルさがずっしり来る。カッコイイ。
「そこのみにて光輝く」なんていい言葉だ。
あぁ・・しみるなぁ・・。
原作: 佐藤泰志